尿路感染症とは 尿路感染症は腎盂から、尿管、膀胱、尿道にいたる部位でおこる感染症である。腎盂炎や尿管炎は流血中に進入したブドウ球菌や連鎖球菌による下行性感染、または腎より排泄された化学的毒素による炎症か、あるいは膀胱からの大腸菌や淋菌の上行性感染により起こる。また、膀胱炎や尿道炎も腎からの下行性感染と下部尿道からの上行性感染により起こる。一般的には大腸菌による上行性の単純性感染症が多い。しかし、高齢者や脊椎損傷などの排尿困難者は排尿を円滑に行うためにカテーテル挿入を行うが、このことにより大腸菌だけでなく複数の菌による複雑性感染症に羅患する。複雑性感染症では感染菌によるバイオフィルムが形成され、薬物が菌体に直接作用できないように菌体防御がなされる7)。したがって、感染は慢性化をたどり、しばしばアルカリ尿による感染結石や皮膚障害を惹起する。また、尿路感染症は強い尿臭が発生するために居住環境を悪化させたり、尿路変更術により人工膀胱(ウロストーマ)を装着している人(オストメイト)では臭気に気を使うことが多くなる。 高齢化社会になるにしたがい尿路感染患者も増加するので、QOLの観点からも感染の予防が望まれる。 |
文献 7) 公文裕巳、尿路感染症の発症メカニズム、新しい病体概念について、臨床泌尿器科 47, 7-15. 1993. |
食事療法の対象者 ・習慣性尿路感染の方(膀胱炎など) ・カテーテル留置の方 ・導尿が必要な方 ・尿路変更術を受けた方(代用膀胱など) ・尿失禁の方 ・結石になりやすい方 ・結石破砕術を受けた方 |