1.はじめに クランベリーには尿の異常な臭いや尿のにごり、結石などを防ぐ作用が知られています。尿の異常な臭いや尿のにごりは主に尿路の感染によって起こります。尿路感染を防ぐことによりそれらの異常を防ぐことができるのです。 また、結石は酸性結石、アルカリ性結石があります。結石を作る結晶は健常な人でも尿の中に浮遊しています。しかし、結石ができる人はその結晶が凝集することで結石を形成してしまいます。クランベリーには結晶の凝集を防ぐ作用があるといわれています。 |
2.クランベリーとは クランベリーはアメリカ北部で生産されるツルコケモモ科の植物で、サクランボのような真紅の果実をつけます。 昔、インディアンの間では、生薬として利用され、現在では感謝祭の七面鳥料理のソースとして欠かせない物になっています。 アメリカではクランベリーの果汁とアップルやブドウの果汁を混ぜたジュースが一般的に販売され、普通の飲料としてスーパーマーケットで売られています。また健康食品として粉末のカプセルなども販売されています。しかし、日本ではあまり見かけません。 アメリカでは泌尿器系疾患の予防や、手術の前後に尿路感染を予防する目的としても飲用されています。 |
3.クランベリーの機能 クランベリーにはキナ酸が多く含まれています。このキナ酸は体内で代謝されて馬尿酸に変わります。この馬尿酸が尿路感染を予防する働きをします。 馬尿酸は酸性物質で、尿のpH(酸性かアルカリ性かの指標)の上昇を防ぎ、感染菌の増殖を防ぎます。菌の増殖を防ぐことにより、尿の混濁が改善されます。また、菌の増殖による尿のpHの上昇を防ぎ、菌の生産するアンモニア発生を防ぎます。アンモニアの発生を予防することで異常な尿臭を予防できるのです。 さらに、クランベリーには赤ワインで有名なプロアントシアニジンが多量に含まれており、感染菌の凝集や尿路上皮に菌が付着することを予防することがわかってきました。 |